一猟一会

単独猟をするサラリーマンのブログ

グループ猟で本当にあった怖い話 ~最終話~

いやぁ。怖い。
ねぇ。ほんと。怖いですねぇ。

何が怖いって。もぉ。ね。

行動を制限される。っていうね。

仕事でもないのに。
なんでそんな事言われにゃならんのか。

36のそこそこおっさんですよ。
仕事でだって怒られるような歳じゃないんですよ。

勤続10年ですよ。
なんなら仕事場で偉そうにしてても文句言われないくらいのところにいるわけですからね。
なんで独りで山行っただけでここまで言われにゃならんのかって話ですよ。

実際問題、狩猟は趣味なわけですからね。
貴重な休日をエンジョイするための趣味なわけですよ。


まぁ、獣の命を奪うわけですから、コンプライアンス的にも
趣味だ娯楽だって言うのはイマイチしっくりこない部分もあるんですけどもね。

でもね。
仕事ではないじゃないですか。

せっかくの休日ですよ。
どう使おうが知ったこっちゃないって話ですよ。

それをまぁ、
グループの先輩だか何だかs・・・

あ・・・えっと。

あのぉ。アレですよ。
この話、ぼくの実体験じゃありませんからね。
えぇ。何度も言いますけども。

TK氏から聞いたことを書いてるまでなんで。
僕の実体験じゃないんで。
そこんとこくれぐれもお願いしますよ。ホント。

では、皆さんの『もう飽きてきたけど』みたいな視線をひしひしと感じながら最終話。
行ってみましょう。

 

まだ、前の話読んでないよ。
と言う方がいらっしゃれば、是非一話から読んでもらえると嬉しく思います。

グループ猟で本当にあった怖い話 〜第一話〜 - 一猟一会

グループ猟で本当にあった怖い話 〜第二話〜 - 一猟一会

グループ猟で本当にあった怖い話 〜第三話〜 - 一猟一会



 

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では。

グループ猟で本当にあった怖い話 ~最終話~

 

TK氏がグループの先輩にプンスコ爆撃をくらった翌週の日曜日。

TK氏は早朝からグループの親方の所有する猟師小屋のだだっ広い駐車場にいた。

先輩のプンスコ爆撃の最後に「来週は朝から小屋に来い。単独猟はするな」と言われていたのだ。

とはいえ、集合時間は10時なので誰も来ていない。

しばらくして、プンスコ先輩とグループの重鎮であり某猟友会の副会長を務める大先輩がやってきた。

TK氏は挨拶と同時に心の中で中指をおっ立てながら先日の事を詫びた。

先輩も大先輩もご満悦だ。

プンスコ先輩の機嫌もなおったとこで、3人で見切りに行こう。となった。

見切りと言っても、
山の中を散策するわけではなく。

車でトロトロと走りながら猪のはみ跡等を探すのだ。

小一時間ほど見て回ったが、
どうも古いようで、いい結果とはいかなかったようだ。

少し集合時間には早いが、猟師小屋へ戻ることになった。

戻る時もトロトロと痕跡がないか探しつつ、3台連なって走っていた。
集落から小屋へ戻る道中の峠道でも同じようにトロトロ走る。


もうすぐ峠道の頂上に差し掛かろうかという時、先頭を走っていた大先輩が急に車を停めた。

続いて、先輩も停車。

1番後ろを走っていたTK氏も、何事か?と停車した。

なんだか大先輩が車内でガサゴソしている。

何かを落としたのか、はたまた忘れ物でもしたのか。

TK氏は、他人事だ。と言わんばかりに、ただ車内から見ていた。

 

次の瞬間、驚くべき光景を目にする。

 

なんと、大先輩は猟銃を持って車外に出てきたのだ。

TK氏はプチパニックだった。

え!?なに!??

何をするつもりだ?

ここは道路上だぞ?

おい副会長!!

対向車が来たらどうする?

何をするつ・・・

 

ドン!ドン!ドン!

 

3発の銃声がこだました。

 
20番の黄色い空薬莢がアスファルトの上で甲高い金属音と共に跳ねた。

TK氏は呆然とした。

撃った。この爺さんは路上で撃った。間違いなく撃った。

なんなんだこの人は。

なんなんだこの人達は!!

 

どうやら斜面に鹿がいたらしい。

3発とも外したようで、お爺さんは悔しそうだったが
TK氏は無表情のまま何も話しかけなかった。

副会長のお爺さんはそそくさと車に乗り込み、
何事もなかったかのように小屋へ戻った。

TK氏はこの時通報してやろうかと思ったが、
残念なことに、この辺りは圏外だった。

相変わらず3台連なったまま小屋へ戻った。

TK氏はインスタントコーヒーを飲もうと
3人分のお湯を沸かし、自分のマグカップにだけお湯を注ぎ入れた。

お爺さんはコーヒーには目もくれず
プンスコ先輩と2人で小屋の中の小さな机を外へ運び出した。
机の上には、不規則に穴の開いたベニヤ板が置かれていた。

おいおいマジかよ。
舌の根元まで言葉が出てきていたが、TK氏は黙って見ていた。

路上発砲の余韻が色濃く脳内を巡る。

 

車から取り出してきたガンレストは小さな机の上に置かれた。

プンスコ先輩の持つベニヤ板には的紙が貼りつけられていた。

直線距離で30mはあろう小屋の広い敷地内。
小屋の裏手にある山肌に的紙が置かれ。
対面の一番遠くに机が置かれた。

道路から丸見えだった。

 

TK氏はことの成り行きを見るのをやめ、小屋の中へ入った。

 

ドン!・・・ドン!・・・ドン!

 

また3発の銃声が谷間にこだました。

 

外から声が聞こえてくる。

TK氏の耳に入ってくる声は、すでに大先輩とプンスコ先輩の声ではなく、

歯の抜けた爺さんと冬なのに浅黒い肌をした初老のおっさんの会話だった。

 

少し冷めたコーヒーは味がしなかった。

頭の中でこの数週間の出来事がぐるぐると廻る。

この人達は、これが普通なんだ。
違反を違反と思っていない。
違反することに躊躇も恐怖心もない。
隠そうともしていない。

普通に違反をしているんだ。

 

TK氏は、この日。
味のしないコーヒーを飲み終えると同時に
何かが終わったのだと言う。

 

数分後。TK氏は体調不良を理由に帰ることにした。

 

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もし、
このままこのグループに居たら。

もし、
自分も違反するのが普通になってしまったら。

 

 

いつか、
誰かに通報されるかもしれない。

いつか、
許可の取り消しをくらうかもしれない。

 

いつか、
取り返しのつかない事故を起こしてしまうかもしれない・・・。

 

 

 

『ふぁえぁーーーー!!』

 

 

・・・・ピコーン!

 

 

 

 

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ぼっち猟師誕生の瞬間である。



今まで、結構悩みました。
狩猟を始めるきっかけをくれたのは親方だし。
今、手元にあるベレッタの散弾銃はグループの先輩から貰ったものだし。
今、冷凍庫を埋め尽くしている鹿や猪の肉は貰った肉だし。

感謝しているし恩義もある。

そんな簡単に抜けたり入ったりできるものじゃないのもわかってる。

でも、もう無理でした。

 

TK氏は、数日後。親方に電話した。
「奥様の仕事の都合で日曜に山へ行けなくなった。」と。

返事は意外とそっけないもので
「ふーん。そうか。それは残念だな。」だけだった。

なぜ、最後の最後で嘘をついたのか。
それは、

猟期が終われば、皆さんとはあかの他人のようなもの。
来年の猟期前に「今期は独りでやります」と言えばいいだろう。と。

違反が普通になっている人たちに
「違反している人と一緒にやるとかムリなんで」なんて言ったところで。ねぇ。

抜けると決めた今、
わざわざお互いが嫌な気持ちになる必要もない。

という、
TK氏なりの、飛ぶ鳥跡を濁さず。だった。

もし、今の猟期中にグループの人達にバレたら、その時は仕方ない。
本当のことを言おう。

今使っているベレッタも、グループの人がくれたものだ。
もう2度とグループで使用しないのだから、
次の猟期までにはグループの誰かに譲渡するか。売ってお金に換えてしまうことになるだろう。

 

覚悟はできている。
後悔はしていない。


僕は自らぼっち猟師になった。

 

 

 

 

 

と。TK氏が言っていました。

 

以上。

 

グループ猟で本当にあった怖い話 ~最終話~
【集団心理とぼっち猟師の誕生】でした。

 

 

ありがとうございました。

 

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