一猟一会

単独猟をするサラリーマンのブログ

単独忍び猟日記・3月14日

いやぁ。
猟期ってあっという間で終わってしまうんですねぇ。
何なら、もっと早く猟期が終わってしまう地域もあるとか。
僕の住む地域は、猪・鹿に限って3月15日までの延長があるのでまだ長い方なんだとか。
と、いうわけで。

行ってまいりました。今期最後の単独猟。

3月14日・雨時々曇り・最高気温9℃ 最低気温6℃

正直、今期デビューの新人で、まともに単独忍び猟を始めたのが1月半ば。
1頭獲れれば上出来だよ。と言って頂いた事もありましたが、今日は今期の総仕上げ。

獲物を取りたい。今回は勝負にでました。

今の時期は暗いうちから山裾より奥へ移動していると考え、
ふもとは捨ててかなり奥から攻める作戦。

入ったことのない山への挑戦。

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 暗いうちから山へ入ろうと思い午前5時には山へついていたんですが、
あいにくの雨模様という事もあり、真っ暗。

えぇ。
真っ暗すぎて入る気も起りませんでした。
なので、薄く明るんできたころから入山します。

今回は、一切下見無しのぶっつけで行きました。
入山ルートもぶっつけ本番。以前から気になっていた山へ。

ぶっつけ本番で山に入れるのか?とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、登山初心者の僕もここまでできるようになりました。

初めて入る山のポテンシャルは未知数

以前から気になっていた山なんですが、入山ルートをイマイチ絞り込めていませんでした。林道はあるものの途中で途切れてなくなる道。
こういう林道は倒木で途中から通れなくなっている可能性もある。
どこかしらに車を停められるところはあるとは思いつつ確信がないので、林道はあまり奥まで入らず入り口付近の駐車できるところへ。

沢が側にあるので、鹿が降りてくる道があるはず。もちろん何本も。
その中から、入りたい尾根に向かう大きめの獣道を選びます。

 

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 日の出時刻を超えた為、ウリカさん登場。

さぁ、今期最後の単独忍び猟の始まりだ。

もしかするとこの獣道の延長線上に鹿がいるかもしれない。あと数歩進めばそこに鹿がいるかもしれない。
慎重に足を運びます。ゆっくり。慎重に。
すると、『ピーッ!』斜面右上の尾根から早速の警戒鳴き!
木々が邪魔をして姿は確認できませんでしたが、『ピーッ!』『ピーッ!』と徐々に山奥へ遠のいていく鹿の警戒鳴き。
いや、そこまで鳴き続けてなくてもいいじゃないか。

しかし、鹿はいる!

今日は今期最終出猟日。モチベーションもテンションも上がります。

しかし、ここで焦ってはいけない。
こういう場面で焦ってしまい足運びが雑になると鹿に会う事すらできないのは今期身をもって学んだ。
ずーっと獲れなかった原因の大半は雑に歩いた結果だと思っている。

ひたすらに慎重に獣道を歩く。

徐々に傾斜はキツくなり山肌を斜めに登っていくような道になった。
歩きにくくなってきたな。もう尾根まで行こうか。

右下は谷間、左を見上げればあと数メートルで子尾根のてっぺんがある。
少々音はするが、獲物は見えないし気配も無い。大丈夫だろう。

ウリカを背負い、両手も使いながら子尾根のてっぺんを目指した。

『ピーッ!』また警戒鳴き!しかもまた右側の子尾根付近から。
今回は鹿の姿が見えた。オスかメスかまではわからなかったが、ガサガサっと4頭の鹿が尾根をポンポンと駆け上がっていった。

え?いた?

えぇ。全然気づかなかったし見えてなかった。
もし、斜面にいたのなら、充分射程距離内だった。
舌の根も乾かぬうちに・・・やってしまった。

これは悔しかった!もし、子尾根の上まで登ってしまおうなどと横着をせず、素直に獣道を慎重に歩いていたら。
もしかすると僕の方が先に見つけていたかもしれない。そう思うと情けないやら悔しいやら。

銃を背負う前にもっとしっかり確認しておけばよかった。
後悔は先に立たないが後ろをずっとついてくる。
これでもかと音を出しながら子尾根を登り切ってやった。
ここから先は尾根をひた歩く。気を取り直したいがさっきの後悔がモチベーションを吸い取っていく。

とりあえず休憩。

小雨の中、持参したおにぎりを食べ、水を飲み、携帯食のキットカットを3つも食べてやった。

さぁ、仕切り直し。

尾根は歩き安い。
獣の濃い山だと面白いくらいに痕跡がある。
あの『冬なのに鮮やかな緑色の葉を四方八方に伸ばしてるよくわからん木』は非常にやっかいではあるけども。
それでも尾根は歩きやすい。
枯れ葉の量も比較的少ないし、足音も軽減できる。
今日は小雨という事もあり、僕の足音も雨音に紛れている。

雨はいい。

雪と違って雨はいい。
もちろん大雨は困るけど。小雨程度なら結構平気。何より、足音をごまかし人間臭を落としてくれる。
単独忍び猟にとってはむしろいいコンディションなのかもしれないな。なんて思った。

斜面をこっそりのぞき込む。ゆっくりとあたりを見渡す。
さっきの事もあり、積極的に双眼鏡のレンズを覗き込んだ。

獣がいなくとも、慎重に慎重に。
分岐する小尾根を覗き込めば、すぐそこに鹿は居るかもしれない。
雰囲気のあるポイントは気が抜けない。

すぐそこに鹿がいる。と想定して動くと、自然と一歩一歩は慎重になる。
そしてまた、尾根を覗き込む。

いた!
鹿!近い!その距離なんと10m以内。

しかし、鹿もこちらに気付いていたのか、鹿はすでにこっちを見ていたので目が合ってしまった。
ビクっ!と驚いた瞬間。鹿もビクッ!と。
一目散に走りだす3頭のメス鹿。あっという間に尾根を越えて見えなくなってしまった。

今のは近すぎるわー。

鹿のビックリした表情は今でも思い出すとニヤついてしまう。
あと20m程離れたところにいてくれたら。

なぜ10mまで鹿はこちらを警戒したまま動かなかったのか。

少し考えました。

足音は雨音でぼやけていたはず。
鹿にとって、ん?よくわかんないけど何か近づいてきてるんじゃない?
と思わせる何かが僕にあったと思ったわけです。

心当たりがありました。
皆さんは山へ入る時どんな靴を履いてらっしゃるでしょうか。
僕は、ガルモントのタワープラス2GTXという登山靴を履いているんですが、どうも気になる音がするんですよ。
合皮?なのかわかりませんが、靴の素材の摩擦音。
「グギュー、ググギュー。」みたいな音。
皆さんの登山靴はそんな音しないかもしれないですが、少々古くなってきているからなのか、踏み込むたびに「グギュー。」と鳴くタワープラス。

もしかしたら、ガサっ。という足音ではなく、ちょっとづつ近づいてくる「グギュー」を警戒していたのかもしれない。と。
鹿も初めて聞く音でしょうし、警戒して当たり前だったと今になって思います。

早速、この摩擦音を無くしにかかりました。

 

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 「グギュー」の声帯であるこすれる部分にビニテカスタム。

これだけで「グギュー」がなくなりました。
もっと早くやっておけばよかった。

しかしこの後、残念ながらこの山では獲物には出会えませんでした。

時間は午後3時。
最後に行きたいところがあったので急いで向かうことに。
とはいえ、今いる山を越えるかたちで降りて沢を渡り隣の山へ。

大尾根伝いに歩いても行けることは行けるんですが、かなり遠回りになるため一度降りてまた登ります。
入り方は同じ。獣に道案内をしてもらいます。

沢を渡り、尾根に向かうその道中、明らかに鹿とは違う痕跡が。
鹿とはちょっと違うデカい足跡。でかいフン。

猪だ!

猪は濡れた枯れ葉の上をしっかり踏み込んでいて、雨で柔らかくなった山肌にその足跡をくっきりと残していた。

僕は今まで、猪の新しい痕跡というものを見たことがありませんでした。
田畑のハミ跡やカラッカラのフンは見た事ありますけどね。
山の中でまだ新しい痕跡は初めて。

近くにいる可能性あるんじゃないか?

今日は今期最後の猟。これは最後のチャンス。
幸い、午後に止む予報だった雨は降り続いてる。
日没まであと3時間。追いついてやる!

少し傾斜がきつくなってきた斜面に猪が足を滑らせた跡があった。
やはりこの足跡は今日のだ。

雨は今朝から降り始めた。枯れ葉の下の地面が雨により緩んだのは間違いなく今日だ。
しかも朝でもないだろう。今日は一日ずっと小雨なのだ。小雨程度ではすぐに地面が緩まないはず。今日、僕が最初に足を滑らせたのは昼前くらいだろうか。

猪は今日の昼前から今この時間の間にこの獣道を通ったと考えられるのではないか。
実際は違うかもしれない。でも、その時の僕は超絶ポジティブだった。

ひたすらに足跡を追った。
ルートのことなど考えなかったし、自分の現在地すら気にならなかった。
この猪に追いついてやる。ただその一点のみに集中していた。

しかし、残念ながら午後5時を過ぎ、タイムアップ。
日没まで粘りたい思いもあったが、やはりそこは安全第一。
来期またこの山に来よう。そう自分を納得させて山を降りた。

山を降り、車の置いてある向かいの山へ行くために先ほど渡った沢付近を歩いていると。
まだ比較的新しい空薬莢が落ちていた。

 

あ。巻狩り?・・・。

 

今期終猟。

今期から猟を始め、いろいろとありましたが。
なんとか怪我もなく事故もなく猟期を終えられた事に安堵すると共に、子供達の世話を一手に引き受けてくれた妻には感謝しかありません。

お小遣い上げてください。

 

 

ありがとうございました。

 
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